新刊情報
あとがき:篠崎幸雄
ヨーロッパに初めて行った
1960年代。古き良き音楽の時代でもありました。
鉄道は本当に鉄で出来ていると思えるほど重量感にあふれ、コンパートメントは快適
でした。長距離列車にはレストランカーが付いていて、ワインは水のように安くて美味
しく、パンとソーセージがあれば一日じゅう楽しく旅することが出来たのです。
旅行業
40年のうち半分をヨーロッパで暮らし、鉄道には公私ともに隅々まで数え切れ
ないほど乗り回しました。シベリア鉄道も経験し、今思えばもう少し鉄道の歴史、文学、
絵画などと関連つけて旅をしておけばよかったと思います。機関車の型式や車両にも関
心があったらと悔やまれます。
本書の出版を契機に、再び若き日のヨーロッパの思い出をたどった鉄道の旅をしたい
と思います。このたびの小池先生の講義内容を事前に学んで列車に乗れば、旅も楽しさ
は倍増したに違いありません。
本書が読者の方々の知識と教養をくすぐり、これからのヨーロッパ旅行を
100倍楽しくさせる一助になればと願っています。
本書をまとめるまで多くの方々からご助力、ご協力いただきました。特に忙しい中で
の60回を超える度重なるミーティングで細かいところまで意見をまとめていただいた森
口茂さんと鈴木晶子さんには心から感謝いたします。
さらに、編集制作を担当いただき写真やさまざまな協力をいただいた鉄道紀行作家で
もあるストラーダスタジオ代表の高橋揚一氏、長いヨーロッパ在住経験を活かして『イ
エローガイド:シリーズ』の発行出版を継続しておられる株式会社ユーロプレス社長の
大谷直氏に深く感謝いたします。
そして、何よりも微に入り細を穿った心からの暖かいご指導を下さった小池滋先生に
ここで改めて奉謝申し上げます。
篠崎幸雄